バンコクを拠点にしながら、クアラルンプールやホーチミンに出張することが増えた。そのたびに悩むのがeSIMの選択だ。国ごとに買い替えるか、周遊プランにするか。この記事では、東南アジア複数国を行き来するデジタルノマドとして、実際に比較・検討した内容を正直に書く。
この記事の結論
- 2カ国以上をまたぐ場合は、SailyまたはAiraloのアジア周遊プランが割安になるケースが多い
- 1カ国に長期滞在(2週間以上)するなら、現地SIMが最もコストパフォーマンスが高い
- Sailyはアプリ内でeSIMを追加できる仕様のため、複数国をまたぐ旅程に特に向いている
- タイはAIS、マレーシアはCelcom/Maxis、ベトナムはViettelの回線品質が安定している
目次
東南アジアのeSIM事情
eSIM(Embedded SIM)とは、物理的なSIMカードを差し替えることなく、スマートフォンに内蔵されたSIMに通信プランを書き込んで使う仕組みである。海外では空港でSIMを購入する必要がなく、渡航前にオンラインで購入・設定できる。
東南アジアでのeSIM利用が便利な理由は、国境をまたぐ移動が多い点にある。バンコクからクアラルンプールへのLCC移動は日常的で、その都度SIMを差し替えていては手間がかかる。eSIM対応端末であれば、物理SIMをメインに残しつつ、渡航先のeSIMをデータ用として追加できる。
補足: iPhoneはXS以降、多くのAndroidはフラッグシップモデルを中心にeSIMに対応している。格安スマホは非対応のケースもあるため事前確認が必要だ。
国別プランvs周遊プラン:どちらが得か
単純に料金だけ見ると、国別プランの方が安く見えることが多い。ただし、以下の条件では周遊プランが有利になる。
| 条件 | おすすめプラン |
|---|---|
| 1カ国のみ・14日以内 | 国別プランまたは現地SIM |
| 2〜3カ国・30日以内 | アジア周遊プラン(Saily) |
| 長期拠点 + 短期訪問の組み合わせ | 拠点国は現地SIM、訪問国はeSIM周遊プラン |
| 旅程が未確定 | 周遊プラン(使った分だけ消費される) |
バンコクを拠点にしている自分の場合、タイのAIS回線のSIMをメインで使いつつ、月に1〜2回の出張のためにSailyのアジアプランをeSIMとして追加しておく、という組み合わせが現時点での最適解だ。
Sailyのアジアプランを検証する
SailyはNordVPNを開発したNord Securityが提供するeSIMサービスである。アプリの設計がシンプルで、既存のeSIMに目的地のプランをチャージするだけで複数国の通信をカバーできる点が特徴だ。
Sailyのアジア向けプランは、タイ・マレーシア・ベトナムを含む複数の国・地域をカバーしている。
「同じeSIMで国をまたいで使える、という体験は初めてだと地味に感動する。」
Sailyアジアプランの料金(2026年6月時点)
| データ容量 | 有効期間 | 料金(USD) |
|---|---|---|
| 1GB | 7日間 | $4.99 |
| 3GB | 30日間 | $12.49 |
| 5GB | 30日間 | $19.49 |
| 10GB | 30日間 | $35.99 |
| 50GB | 90日間 | $95.99 |
データ消費量が80%を超えると通知が来る機能がある。旅行中に使い切る心配が少ない点は地味にありがたい。また、不足したときはアプリ内でトップアップ(追加購入)できる。
国別の通信事情まとめ
タイ
バンコク市内であれば4G/LTEの電波は安定している。地方(チェンマイ、パタヤなど)でも主要エリアでは問題ない。長期滞在(1カ月以上)ならAISのプリペイドSIMが最安クラス。月200〜300バーツ(約800〜1,200円)で無制限プランが手に入る。
マレーシア
クアラルンプール市内は5G対応エリアも増えており、東南アジアの中では通信インフラが整備されている部類に入る。Celcom・Maxis・U Mobileが主要キャリアで、eSIMでも安定した接続が期待できる。
ベトナム
ホーチミン・ハノイなどの都市部は4G LTEが普及しており実用上問題ない。ただし農村部や一部の観光地では電波が弱くなることがある。
補足: ベトナムでは外国人がSIMを購入する際にパスポート登録が必要になるケースがある。eSIMであれば現地でのそうした手続きが不要なため、短期訪問では特に使い勝手が良い。
まとめ:ノマドの選び方
東南アジア複数国を行き来するデジタルノマドとして、eSIM選びのポイントを整理する。
- 1カ国・長期なら現地SIMが最安。AISのプリペイドがバンコク拠点には最適
- 2〜3カ国・30日以内ならSailyのアジアプランを検討する
- セキュリティを重視するなら広告ブロッカー・Web保護が内蔵されたSailyに分がある
eSIMは一度設定すれば出発前に完結するのが最大のメリットだ。空港でSIMを探す時間も、現地での言語の壁もなくなる。東南アジアを動き回るなら、一度使うと元に戻れない。
よくある質問
Q. eSIMはどのスマートフォンで使えますか?
A. iPhoneはXS(2018年)以降、AndroidはPixel 3以降や各社フラッグシップモデルを中心に対応しています。格安スマホや一部機種は非対応のため、購入前に端末のeSIM対応を確認してください。
Q. 現地到着後にeSIMを購入・設定できますか?
A. オンラインで購入・QRコードをスキャンするだけで設定できるため、現地到着後でも問題ありません。ただし空港などWi-Fi環境がない場面では設定できないため、渡航前に準備しておくと安心です。
Q. タイに長期滞在しながら他国に短期出張する場合、どうすれば良いですか?
A. タイは現地SIM(AISプリペイド)をメイン回線に、他国への移動時はSailyのアジア周遊プランをeSIMとして追加する組み合わせが実用的です。物理SIMとeSIMを同時利用できる端末であれば、両方を維持したままシームレスに切り替えられます。
Q. eSIMのデータが足りなくなった場合はどうすればいいですか?
A. SailyはアプリからトップアップでeSIMにデータを追加できます。データ残量80%時点で通知が来るSailyの機能を使えば、使い切る前に対応できます。
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